KONSAIRIクリア感想

KONSAIRIをクリアした。真エンドで。

総プレイ時間18時間ほどでKONSAIRIをクリア。

 

store.steampowered.com

 

作者氏いわく詰まらなければ10時間ほどでクリア可能とのこと。

が、大体の人が詰まると思うので実態としては15時間ぐらいではないか。

 

 

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感想に入る前に宣伝。

こちらは拙作になります。

 

 

 

では、最初に本作をお勧めで出来る人

 

〇ケモノ好きの方

〇80-90年代前半のゲーム、リバイバルではなくそのものが好きな方

〇マニュアルやwiki等と突き合わせてゲームを遊ぶのが好きな方。

 

 

そして、今作はネタバレを見なければ見ないほどにクリア後の達成感は増幅するかと思われる。

ストアページ等を見て気になった人は自分がどこまでやれるか自分の胸に聞いて、チャレンジすると良い。

 

ちなみにわたしはふわふわした生き物を飼ってはいるが特にケモノ方面のアレはない。

 

ネタバレなどゲーム自体にあまり触れない感想

 

今作を真エンドまでクリアした感想を一言で

言うと、「疲れた」というのが正直なところ。

こんなにゲームがクリアできないことに苦しんだのなんて小学生ぶりぐらいだ。そう、初めてやった初代バイオハザードの謎解きがそうであった。。。。。

決してネガティブなフィーリングではなく、久々にゲームとガチンコで向き合った気がする。

そもそも私はクラッシュバンディクー2が初めて買ってもらったゲームなので、この手のゲームは殆ど初体験である。確かにC64 miniやmsxも持っているが、別に長編をクリアするまで遊ばないし、ほとんどアクションしかやらない。

そんな中でこういったゲームを最後までやりきった経験というのは、中々得難いというか、良い機会であったと思う。

 

ゲーム自体について

これはレトロ風とかドット絵風とか、そういったものではなく。

80年代後半のゲームそのもののシステムにファストトラベルや緩いメトロイドヴァニア要素を入れたものである。

 

そもそも制作環境がPICO-8という仮想8bitマシンであるから、そういった制約があるということは大前提として理解せねばならない。

 

これに対し、

 

「いや、売り物なんだから」

 

とか

 

「なんでこうじゃないの」といった批判は、

 

 

ファミコンに対して

 

「なんで3Dじゃないの?」

 

「普通は画面ちらつかないでしょ」

 

「処理落ちするのは理解できない」等の意見を言うのとほぼ同じである可能性がある。

 

 

当該のゲームエンジンにちゃんと触れたことがあるわけではないが、ゲームそのものは勿論のこと、メガデモ的な用途や、描画関係のデモ、特に最近は3D描画などの技術的な方面での注目が多い気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそもゲームエンジンというより、ハード的な制約がかかっているので、

そういう理解はしておいた方がよい。

 

あと多分steam実績とか入れるのはキツイとおもう。

エンジン本体を拡張できれば使えるのかな・・・?

 

ちなみにUnityとかそこら辺のエンジンだとsteam実績用の命令がだいたいついているので、それを使って実装する。

 

感想

このゲームに関して特筆すべき点はいくつかあるが、

 

「かわいらしいグラフィック」

 

「徹底的にレトロゲーム

 

である点が挙げられると思う。

 

グラフィックは見て頂ければよいとして、このゲームの推しポイントでもあり、システム的にコアになるのが徹底的にレトロゲームであるという点であろう。

 

あの頃のゲームそのものであり、実際に、たまに出るファミコン用の新作とかそういったゲームとして扱うのが良い。ファミコンというよりは8bitPC感のあるプレイ感であるが。

 

魔城伝説とか迷宮組曲とか、ドルアーガとかああいったゲームを心から愛しているという諸氏にはこのゲームを強くお勧めできる*1

 

このゲームのクリアに最低限必要なのは、「マニュアルの読み込み」である。

 

controlsheet_01_jp.pdf (steamstatic.com)

 

これである。幸い読みやすいマニュアルだし、かわいいらしい装飾であるので、懐かしい気分で読めると思う。マニュアルが必読であることにより、プレイヤーがふるいにかかっているのは確かだが、それで良い

この量をゲーム中で懇切丁寧に説明されたらその時点でやめる層も多くいるだろう。

 

そして、ありがたいことに公式wikiも最近出来た。読むと良い。

 

KONSAIRI 情報 wiki【2/1更新】 - atwiki(アットウィキ)

 

steamガイドに真エンドの謎解きについても書いてある。

私は読んでからプレイしたが、真エンドへの解はランダムなので、普通に開放を知っていても難儀した。スクショを撮ること。スクショを撮れ。

 

こういった情報を駆使して、場合によってはツイッターで情報収集し、複雑なシステムと立ち向かう。この後はどうなるかわからないが、今ならそういった一体感を持って攻略できるかもしれない。私はツイッターで色々な方に助言を頂いてクリアできた。

 

ともかく、システムを解き明かしゲームの文法と対話し試行錯誤して遊ぶゲームである。そして、その試行錯誤に対して特にゲームとしてのフォローはない*2

 

特に、ある程度攻略の基本的なルーティーンを組むのが必要になるわけだが、そこを確立するまでがキツい。ゲームの基本的な流れを理解するのに壁があり、その流れに乗るための試行錯誤の方法に気づくのにも壁があり・・・・・。

 

本作のシステムはすべてちゃんとした理屈があり、プレイヤーにはそれに気づく余地が与えられている。

気づけるかどうかはその人次第ということであろうか。

 

 

 

このゲームの惜しい点として、視認しづらいグラフィックというのがある。

以下見づらい部分をピックアップしたが、そこまで恣意的なチョイスではない筈。

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後半マップの一例

まぁ、慣れてくると問題はないが、「どこが足場か?」という点に関して、「作者の思考を読む」という過程を経て判断がつくようになる。

 

 技術的な話を言えば、背景グラフィックはある程度使用する色を決めて(大体足場の色より暗く)、なおかつ描きこみを少なくするというのが良いと思う。

背景の綺麗さとそこら辺のユーザビリティトレードオフされることの価値を問われれば、厳しいというのが本音。

たまに隙間に挟まることもあるので、そこら辺の視認性は問題点であろう。

 

 

後半の和風なステージや、天文台が印象に残っている。それらの豊富なロケーションも本作の魅力の一つだ。その点は触れておかねばなるまい。

 

 

ゲームプレイ自体に関しては、進め方、要はゲーム中で明示的に示されるサインに従ってプレイすれば一応は問題ない。が、そのサインに大半の人々は気づきこそすれ、具体的な行動までは分からず、 そこで詰まるかと思う。

そして、その具体的な各種行動を指図してしまうと、途端につまらなくなる訳だ。 

 

 正直なところゲームプレイ本編に関しては改善点や気になるところを挙げる気にならない。

たぶん、そういったハーシュさも含めてのプレイ体験であるから、自分の中の感情がぐちゃぐちゃと煮詰まっていて、上手く言葉に出来ない。

 

ジャンプ力が上がったときはうれしいし、

ようやっとファストトラベルが出来るようになった時の達成感は格別であった。

根菜運用のミスが許されない崖のぼりでは何度舌打ちしたかわからないし、

最後の謎解きではぶっ続けで朝から夕方までプレイして心が折れそうになった。

 

やりがいのあるゲームであることは確かだ。

力作に触れたとき特有の満足感もクリア後の今湧いてきている。

ゲームは確かに体験である。

色々な障害はあったが、真エンドを見たときどうしようもなく満たされてしまった。

 

私含めこのゲームに挑戦できるという人は限られていると思う。

だが、作者渾身の挑戦に受けて立ち向かうというのは、まさに個人製作のゲームをやる醍醐味である。

 

まとまらないが、気になった人は遊んでみると良い。

*1:その手の愛好家が知識ゼロからこの手のゲームに触れたらどういった反応を示すのかという点は触れてはいけない。

*2:最近の、要はローグライクとか謎解きを売りにする作品であればその行為にフォローをどこかで入れるのが良くある手法だと思う