VOICEゲームジャム6に参加した

 

ということでVOICEゲームジャム6に参加した。

 

itch.io

 

概要は上記を参照。

 

そこで今回私が作ったゲームはこちら

 

itch.io

ノベルゲームである。

 

ジャムのコメントに一部困惑気味な方がいるのも仕方あるまい。

 

このジャムには第三回から参加しているが、

 

「ATARI2600のオマージュゲーム」

 

「増殖する単眼の葵型ロボット」

 

などを出してきたのである。

 

そんな私がいきなり純愛ノベルを発表したのだ。

 

制作環境

今作は殆ど初めて続きであった。

 

まずゲーム制作に自作以外の素材を使うのがほぼ初めてである。

立ち絵なりBGMなり。今まですべて自分で作っていた。

 

本来は琴葉シンセを使って主題歌を入れるつもりであったが、

私にはメロディーセンスがなかった。

 

そして、制作ツールもティラノビルダーの有料版を買った。

非常に作りやすかった。が、そもそもある程度の文章量を扱う、

これだけで面倒だということは思い知らされた。

 

そして、がっつりとしたノベルゲームを作るのも初めてである。

いや、実際は習作をプリシーに出していた気がするが、初めてといってよいだろう。

 

キャラゲーを作るということ

私のことをある程度知っている方ならご存知であろうが、

私とボイスロイドの関係は少しドライだ。

 

動画制作時のアバター、或いは聞き取りやすい合成音声として、

長く使ってきたので愛着がある。

 

そもそもボイスロイド劇場、アニメやラノベ等を殆ど摂取していないので、

周辺分野へに対する理解の解像度が低い。

 

なので、今までジャムに出してきたのはボイロキャラを使ったレトロゲームのオマージュものが殆どであった。

 

そんな私がなぜ今になってノベルを書きたくなったのか!!!??

 

書きたいシナリオがあったからである。

 

やはりキャラ先行ではない。

 

と思いきや、書きたい主題に対して、琴葉姉妹という存在が、変奏の動機となった。

そんな感じなので、今までに比べると寄り添っているわけだ。

 

誤解なきようにいうと私は普通にボイロは好きである。

嫌いだったらニコニコでボイロ動画を100本投稿してない。

 

本作で書きたかったこと

ここからネタバレを含むので必ず本編をプレイしてから読んでください。

 

ほらリンクは以下にありますよ。

itch.io

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書きたかったこと

 

主題は「恋愛の罪」です。

人間はどうやら人を愛することが出来るようなのですが、

愛するという段階恋をするという段階は違う。私はこう考えています。

 

定義を考えましょう。ちなみに異論はあるかもしれませんが、これは拙作に対するあとがき的なものなのであまり反論に意味はないかと思います。

 

愛とは時間、そしてそれに対する密度から産まれます。

二人が一緒居て、想い合う時間とその密度そこからまさに「愛の結晶」として、

時間をかけて錬成されるものです。

 

恋は一主体から見た想いの指向です。

「あの人が気になる」という状態ですね。

故に愛することと恋することは両立します。

厳密には、その両立は「恋している対象と愛を育む」という状態を指します。

 

今作では三人の間で「愛」は成立しています。

しかし、姉妹から「恋」の指向が主人公に向かっているのに対して、

主人公は片方にしか恋をしていません。

 

愛には色々な形態があります。

友愛、親愛、兄弟愛、親子愛。今作におけるそれを特別定義はしませんが、

まぁそういうものです。

 

しかし、ここで言及される恋は、明確に恋愛に関してのみ発生し、

それは運命的な選別の果てに降り注ぐものです。

 

恋をする対象は選べません。

そして、一度恋をすると、相手の一挙一動に心奪われ、全てが「あなた」中心になります。そこで「あなた」に振り向いてもらおうとするのですが、それは絶望的な闘いです。

 

これは私の経験則になりますが、初対面/最初に話した瞬間である程度の感覚は分かってしまいます。もちろん例外はありますが、それでも振り返るとその兆しはあります。

 

その闘いに負ければ、私たちは世界から否定されたような気持ちになります。

それだけ誰かのこころを奪うというのは絶望的な賭けの側面があるわけです。

 

もっとも、現実世界の恋愛はもう少しゆるいですが。

 

が、本質的にはこういった絶望が、どうしようもない溝が、恋をするという行為に内包されています。

 

そのことを当事者全員が把握した時、どうなるのか?

 

きっと、こころつながった二人はお互いを愛することに慎重になるでしょう。

最悪、別れるかもしません。

 

そして、負けた一人は二人に気を使い距離を置くでしょう。

 

「友達のままなんかで居られるわけがない」

 

そういわれたことがあります。

 

恋をするということ。

それ自体が罪であり、原罪なのです。

 

その強大さに、若人たちは「大人になること」の厳しさを覚えるのですが、

それは大人になることでもなんでもなくて、

人間が人間であること、誰かといる幸せを得ようとすることへの畏怖を知ることなのだと思います。

 

作中の彼らはどうにかその試練を乗り越えて、お互いを気兼ねなく愛せる未来が来るであろうことを何となく予感しています。

 

「ねぇ、遠い日に恋をしたあの人も

 穏やかなこの季節感じているのかな?」

 

www.youtube.com

公式で本人映像ないっぽいのでカヴァーで。雰囲気的に本作に合うと思います

歌の主題も。

 

そんなことを二人が言える日が来ることを祈って。